思い出日記4

思い出日記4

終結の快楽

悪人に騙されて、多額の借金を背負い、財産も生活も全て投げ打って、それでもカタがつかなくて、大切な妻や子供を巻き込んで一家心中する時の気持ち、ってどんなんなんだろう。

 

自分の生き方や性格についてひとしきり嘆いたあと

悪人に騙されて、金という文明の弊害になす術がなく、みたいな言い訳が出てきて、

その後、世を儚んで、大切な女房娘息子も巻き込んでこの世を去る。という方法を取るに至る、正統性が見えない。

だけど、

正統性なんて、俺ははなから持ち合わせていない上に、誰だって本来正統な物なんて持ち合わせていない。

社会生活の中で取捨選択した道徳にすぎない。

 

だから、

なんとなく、そこに快楽のような物があるんじゃないか。って思う。

 

おれは、間違った事をしていると頭で認識しながら行ってしまう時、それは快楽であると、思っている。

誰かを傷つけたり、失望させるときにも、恥ずかしい事かもしれないけれど、

快楽が伴っているんだと思う。

 

生きることは恥ずかしい。俺にとっては。