思い出日記4

思い出日記4

楽園

会いたい気持ちだけが募って
予備の心も使い果たしてしまったよ

 

犬も歩いて猫も歩いて
落ち葉の季節も過ぎていった

 

無くした物ばかりを見てた死んでた
いっぱしの精神病患者になりきって

 

赤い果実にやられた

僕はアダムか
手にした恥じらいなんて

いらなかったよ
ねぇ

 

有り触れた日常の中

埋もれた
やり遂げずに捨てた日々が

呻いてる
下敷きで隠していてまだね
胸の中で眠らせて
楽園

 

傷つけあった百億の言葉も
喉の奥の穴に
吸い込まれていった

 

亀も眠ってうさぎも眠るよ
誰もが少しは死にたいのさ
抱きしめて

 

有り触れた日常の中
埋もれた
やり遂げずに捨てた日々が
呻いてる
掌で覆いかくしていてまだね
耳の奥で囁いて
楽園