思い出日記4

思い出日記4

あのみち

一人の夜は
泣きたくなるよ
心の穴がキシキシ痛むよ

一番街の赤提灯の
灯りが消えたら
もう帰ろう

あの頃住んでたアパートに
続く道を眺めていた
長い夜を持て余した
僕は悪魔になろうかな

この道を行けば
君に逢える
灼けるような鼓動に
耳を塞いでいても
子供みたいに笑う
君に会えるなら
走り出す
言葉ももう意味など持たないのに

一人の夜を
吸い込むみたいに
夜の街灯が優しく揺れる

夢の果てまで絡ませた指が
解けて離れて
もうこれ以上

大好きだった色の話
夜の始まりと終わりの色
君とよく似た後ろ髪に
触れてしまえこの指よ

あの道を行けば
君に会える
届きそうな窓辺に
君を描いていても
もう戻らない物が
ここにあるのなら
枯れるように言葉も
もう意味など持たないから

あっけなく変わる街
君の街
あっけなく終わる旅
消えてゆく
あの道の向こう