思い出日記4

思い出日記4

おっさんが

独り言言ってた

何言ってんのかわからんかったけど、

たぶん俺と同じ道を

俺と同じように一人で

夜を縫い合わせるみたいに一人で歩いている所を見ると、想像に難しくない事を言ってるんだと思う。

例えばコンロの火が安全装置のせいで弱いとか、手を繋いでスーパーで買いものするな、とか、あと、くそ寒いなー。とか。

今だって立派な戦国時代なのかもしれないな。

逃げ場なんていくらでもあるし、

女はどうかわからんけど、

男は、たくましければ逃げの一手であればなんだってできるんだ。と思うけどね。

 

俺の好きな女は何してんのかな、

夢にだけ出てきて。

思えばおれは、いつでも、俺の範囲を超えた人間と会話をしてこなかった。

逃避の、重い逃避の先がここなんだと思う。

まるで、深海の監獄だよ。